atelier103が成功した3つの理由と、石崎氏との思いでを紹介するよ!
旧atelier103の石崎氏がヤバい
みなさんこんにちは。kspippiです。
超久々のブログ更新です。このブログ、前回の更新が今年の2月の後半ですので、半年以上も放置していたことになりますよね。
そして、僕がブログを放置、もとい更新をサボりまくっている間に、2016年も下半期に突入してしまいました。
たしか、僕がこのブログをきちんと更新していたときは、「2016年の春のファッションが~」とかほざいてましたが、気付けば暦はもう秋。そろそろ2016年の秋冬ファッションに目を向ける時期でございます。
というわけで、これから秋冬のファッション事情などをお伝えしていきたいのですけれど、その前にみなさんにお伝えしたいことがあります。
それは、atelier103というセレクトショップについてです。
このatelier103、めちゃくちゃヤベーんですよ。何がヤバいって、いろいろヤバいんですけれど、なにより店主の石崎さんがヤバい(上の写真の人)。それはもうヤバすぎて禿げあがるレベルです。
こんなヤバい人、紹介しないわけにはいかねーな、と思っていたのですが、これまでタイミングを逃し続けていました。
また、atelier103というお店自体も、紹介したいと思っていました。一部界隈では有名店なのですが、まだまだ知名度は低いです。そこで世の中にはこんなセレクトショップもあるんだよと、皆さんに知ってもらいたかったんです。
じゃあ前置きはここまでにして、さっそく本題に入りましょうか。まずはatelier103がどんな店か、見ていきたいと思います。
そもそもatelier103ってなに?
じゃあまず、そもそもatelier103ってなによ? ってところからお話ししていきますね。
atelier103は、東京都港区にあったセレクトショップです。青山のギャルソンから美術館を抜けたところにあり、一般の住宅に交じってひっそりと店があります。
なぜ「あった」と表現したのかというと、今は店がないからです。atelier103は現在、「atelier historic instruments」と名前を変え、それに伴い場所も変わってしまいました。
店の特徴としては、「一部の人しか欲しいと思わない服だけを置いた店」という感じでしょうか。そのため、一般のセレクトショップ(例:ビームス、ビショップなど)とは違い、流行の服や万人に好まれそうな服は一切取り扱っていません。
また、商品が少なすぎるのも特徴的です。いつ行ってもほとんど服が置いてなくて、ひどい時は服が一着もない時もあります。
僕が過去に行ったときは、マフラーと靴が数個おいているだけでした。その商品の少なさに、マジでここ服屋なのかよ…と疑ったほどです。
さらに、店の場所がめちゃくちゃわかりにくいのも特徴と言えるでしょう。
atelierはこれまでに何回か移店をしていますが、どれもこれも分かりにくい場所だらけです。僕がはじめてatelier103に行ったときは、あまりにも場所が判りにくすぎて、グーグルマップをフル活用しました。
以上が、atelier103の特徴です。これだけ聞けば、atelier103を知らない人からすれば、そんな店大丈夫なのかよ!? と思ってしまうかも知れません。
服は全然おいてない、知らないブランドばかり、おまけに場所も意味不明……まじで商売する気あるのか、と思われても仕方がないでしょう。
ですが、それでも大成功しているのがatelier103なのです。そして、大成功するにはもちろん理由があるわけで。その理由を、次項で説明していきましょう。
atelier103はなぜ成功しているの? 3つの理由とは
一見、成功する要素が皆無のatelier103ですが、実は大成功しています。
ここで言う成功とは、もちろん商売的な意味でです。コレは店主の石崎さんから直接伺ったわけではありませんが、とある人の見立てでは、年商2~3千万はあるのでは? と言われているほどです。
つまり、売り上げベースで年間2~3千万円の洋服が売れているということになりますね。繊維業界が衰退する一方で、この数字はなかなかに驚異的です。
では、なぜこんなにもatelier103が成功しているのでしょうか? この要因は、いろんなところで考察されていますが、今回は僕なりの理由を述べていきたいと思います。
既存のブランドに飽きた人を、うまく取り込めたから
まずはコレです。「既存のブランドに飽きた人を、うまく取り込めたから」
長いこと服好きをやっていると、だんだん既存のブランドに飽きてきます。
これは、もしかしたらあなたにもご経験があるかも知れません。「あれだけ好きだったあのブランドが、全然いいと思わなくなった」とか、「どこのショップに行っても、欲しいものが一着もない」といった感じです。
それがいかにハイブランドの新作や、老舗のブランドの名作であったとしても、何も感じなくなってしまうのです。
こういうのを一部の間ではファッションインポというらしいですが、僕はatelier103がそんなインポテンツを患わった皆さんの受け皿になったと解釈しています。
というのも、atelier103が提案する服は、めちゃくちゃ新鮮な洋服ばかりでした。
聞いたことがないブランドに、見たこともないデザイン。でもめちゃくちゃかっこいい。本当、こういうのが欲しかった!! と思わせてくれるようなアイテムばかりなんです。
これらの洋服は当時の僕にとってはめちゃくちゃ新鮮に映りましたし、きっと僕意外にも多くの方がそう感じたことでしょう。
実際に、atelier103の店主・石崎さんも、「ここは洋服に飽きた人が来る店だから」と言っていましたし、狙い通りだったんでしょうね。
単価が高い洋服を確実に売る販売力
次に挙げられるのは、「単価が高いものを売る販売力」。これもatelier103が成功した要因のひとつでしょう。
atelier103においてある商品は、正直単価がかなり高いです。シャツは安くて3万円台、高いものだと10万近くするものもあります。
これはまだ序の口で、アウターになるとさらにヤバいですね。こちらは最低10万円台で、上限は30万円くらいでしょうか。他にも、靴が最低8万円くらいからだったりと、何せatelier103の商品は`'高い''です。
これだけ高価な洋服って、そうそう売れないんですよ。事実、大手セレクトショップでは高価なものが売れ残り、たちまちセールにかかるなんてことはザラですよね。
さらに、いまは高い服が売れない時代です。ユニクロなどのファストファッションの勢いを見れば、誰の目にも明らかでしょう。
では、そんな状況下で、いわゆる高い服を売るためにはどうしたらいいのか。僕は販売力がモノをいうと考えています。
その点、atelier103の石崎さんの販売力は、かなり高いと感じています。
とは言え、商社の営業マンのように、ゴリゴリに買え買え接客をしてくるわけではありません。むしろ石崎さんの接客は、マジで接客する気あるのか? というくらい、それはもう''ゆる~い''接客です。
では、どのようにして商品を売るのかと言いますと、僕は「商品説明」にあると感じています。
おそらくですが、石崎さんのあの商品説明を聞いて、商品を欲しいと思わない人はいません。すごく説得力がありますし、なんか響くんですよ。話を聞いているうちに、むしょうに目の前の洋服が欲しくなる。そんな感覚を覚えるんです。
で、気付けば買い物しちゃっているワケです。僕が初めてatelier103に行ったときは、13万円くらい買い物をしましたし、僕の知り合いに至っては、一日で50万円近く使ったくらいです。本当あれ、魔法の言葉ですよ!
石崎氏の人柄
最後はやはりコレ。ずばり、店主・石崎さんの人柄です。
突然ですが、あなたは「この人から買いたい!」と強く思った経験はありませんか? もしくは「この人がいるからこの店に行く!」と思ったことがあるかと思われます。
このように、この人がいるから~と思わせることが出来れば、多くの新規の客を顧客化、もとい信者化することが出来るので、商売としてうまくいくわけですね。やっぱりいつの時代も信者ビジネスは強いんですよ。
そしてatelier103の石崎さんは、その信者ビジネスのプロだと思います。マジでお客さんを信者にするのが上手です。
どれくらい上手かと言うと、これはatelier103の入荷日の光景を見れば明らかです。
atelier103の入荷日には、毎回開店前から多くの人が並び、列を成します。しかも面白いことに、並んでいる人のほとんどが石崎さんと同じ格好をしているのです。
かつてこの様子が、一部界隈で話題になったことがありました。その時誰かが言っていたのですが、「みんな石崎さんのコスプレだな」という発言です。
コスプレと聞くと、皮肉たっぷりに聞こえますが、普通に考えてスゴイことだと思うんですよ。だって、みんながみんな店主と同じ格好をしているんですよ? それだけ影響力が高いということじゃあないですか。
じゃあ、その影響力の正体ってなんなの? って話なんですが、コレが最初に話した''人柄''ってやつです。
石崎さんって、実際に話してみるとめちゃくちゃおもしろいんですよ。まず洋服の知識は半端ないですし、洋服に対する考え方も他の人とはまったく違います。きっと服好きであれば、話を聞くだけで「やべぇ!」ってなるはずです。
また、洋服以外の話もめちゃくちゃ面白いです。けっこうディープな下ネタとか平気で挟んできますし、モテるモテないの話も最高でした。
それと、行動も面白いですね。真冬で雪が降りまくってるのにレザーにハイゲージニット、しかも足元はなぜか素足にジャーマントレーナーという防寒性ゼロの恰好。それで「きょうはさみーな」とか言ってるんですから、もう笑うしかなかったですよね。
終わりに:僕が初めてatelier103に行ったときのこと
最後に、超個人的な話をさせていただきます。
これは僕が初めてatelier103に行ったときのことです。お店でひとしきり話し、買い物もした後、僕はお店を出ようとしたんですよ。そしたら石崎さんが、僕にブレスレットを渡してきたんです。
僕はその行動が理解できず、思わず質問をしました。これなんですか? ってな具合に、ふっつーに聞いたんです。
すると石崎さんは、
コレおれのおごり。せっかく遠くから来てくれたし、それあげるよ!
って言ってきました。
え? まじで? こんなんもらっていいの!? って感じだったんですけど、ご厚意を無下にするわけにも行きません。というかそんな建前抜きに、普通にうれしかったんでありがたく頂きました。
ただでさえ楽しかったし、買い物にも満足しているのにプレゼントまで。そこから僕が石崎信者化したのは言うまでもありません、ハイ。
長々となりましたが、記事は以上とさせていただきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。